今日からよろしく御兄妹! 22





「ハッピーハロウィン!」
「前と同じ台詞だなんて最悪。レパートリーがないのね、頭悪いから」
「ひどっ! だってハロウィンで言う台詞の定番だろ!? 俺何か間違ったこと言った? 俺何か間違ったー?」
「ああ、うん、色々間違ってる」
「え、どこが!?」
「人生とか」
「俺を全否定したね今! 俺の生き方を非難してるね今!」
「ああ、まあ、本人がいいならいいんじゃないの、他人からどう見られても」
「いや、それはよくないよ。そもそも俺他人から変に思われるような人生おくってないから。普通だから本当にマジで。ほら、このケーちゃんの格好もばっちり!」
「普通じゃない人間ほどそう言うのよ。答えわかってるけどあえて聞くわね、それ手作り?」
「もっちろーん! 見て見て俺の力作! サイズ合わせんの大変だったんだー」
「ああ、そう、お疲れ様」
「ついでに妹のも作ってある。着る? 着る?」
「拒否」
「着てくださいお願いします」
「嫌、絶対に嫌、それなら私、吸血鬼の格好する」
「うわぁ、妹だと怖そう……」
「へえ? それはどういう意味? ほら言ってごらんなさいよほらほらほら」
「ちょ、やめてロリーポップ押し付けないでベタベタする!」
「あ、ついでにこれハロウィンのお菓子だから。受け取りなさい」
「え、やだよ自分の頬にすげえ押し付けられてるの口に含めっての!? いや、ちょっと勘弁して謝るから!」
「私の心のこもった贈り物だから食べなさいよ何が何でも食べなさいよ残したらどうなるかわかってるでしょ?」
「脅しだ! すげえ迫力のある脅しだ! もしかして結構傷ついたの妹? ごめんねー、兄ちゃんなぐさめてあげるから」
「ああ、じゃあなぐさめとしてあんたの血をもらう。私今日の気分は吸血鬼なの」
「まってまってまってまって! それはちょっとお菓子だとしても鋭利過ぎるって死ぬって!」
「じゃあ私へのお菓子は魂ってことで」
「え、これ死亡決定ー!?」








「今日はドラキュラ伯爵の格好してみましたー」
「……キバ付けるのやめてくれないかな……」
「あら、そうしたら迫力なくなっちゃうじゃない」
「血を吸われそうで怖いんだよ……」







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