今日からよろしく御兄妹! 20





「明けましておめでとうございますオーイエー!」
「明けましておめでとうございます新年早々すでに休みたいんですが私わかりますかお兄様」
「いたいたたたた! ちょ、指にすんげえ力入れて俺の頭わしづかみしないで! めり込んでる! 穴が開く!」
「穴開いても頭の中身は大して変わんないから大丈夫」
「俺が言ってんのは死にそうだってことなんだけど!?」
「あー大丈夫大丈夫。たぶん死なない」
「たぶんってなに!? 保障は!? そして徐々に力加えてない!?」
「気のせい気のせい。そして私部屋で休んできていい?」
「痛い痛い! そんな、妹、俺を新年早々一人ぼっちにする気か!?」
「そこら辺に酔っ払った父さんと母さんがいるでしょうが」
「酔っ払いなんて迷惑なだけじゃん! 今寝てるし」
「甘酒で酔ってついさっきまで眠りこけてた男の言うことじゃないよね」
「……あれ、俺、酔ってたの?」
「甘酒一杯ですごいベロベロだったけど」
「あ、そういえば飲んだ後から記憶ないや」
「あったらむしろぶっ飛ばす。父さんと母さんと兄さんの介抱をさせられ、さらに酔いつぶれてみんな使い物にならないから私がひとりで大掃除しました。よってもうへとへとです。休んでよろしいでしょうか」
「お疲れ様です」
「ん、じゃ、あんたその辺の空き缶とか片付けといて」
「え、大掃除したんじゃなかったの?」
「できるところはした。でもあんたたちが何個も空き缶出すから腹立って片付けてない。あと食器も。ちなみに母さんたちが寝転んでるあたりの掃除もまったくしてないからよろしく」
「え、えええええ」
「なに文句でもあるわけ?」
「いたたたたたた! 穴開く穴開くやりますやります!」
「じゃあやっておきなさい。私は寝る」
「ひどいひどい!」
「ちなみに私が起きたときに片付いてなかったら、今の15分間やってやるから」
「さあ、空き缶つぶさなくっちゃ!」








「俺たち起きないほうがいいよね?」
「そうね。寝たふりしてましょうか」







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