今日からよろしく御兄妹! 16





「ヘイハローグッモーニングサンキュー!」
「思いつくばかりに英語言えばいいってもんじゃないのよ、馬鹿」
「英語なんてクソ食らえ!」
「はいはい、わかったからさっさと宿題やりなさい、馬鹿」
「やる気力はあってもやる頭がないってわかるかな、妹」
「すんごくわかる、あんた馬鹿だから」
「さっきから馬鹿馬鹿言い過ぎじゃない?」
「本当のことを言っているだけ」
「うーうーうー、俺はどうせ馬鹿だよー。頭クルクルパーだよー。パパーのパーさ。グーにはいつも負けるんだ、はははは!」
「自分で何言ってるのかわかってないでしょ。泣いたと思ったら笑うのやめてくれない?私も変態扱いになるでしょ」
「もう俺と一緒にいる時点で変態だよ」
「じゃああんたと一緒にいなければいいのね」
「え、ちょっとちょっと、なに片付けてるの?」
「帰るのよ、変態に付き合ってらんないから」
「ごめんよぉー妹ぉぉーお兄ちゃんが悪かったよぉぉおおおー」
「引っ付かないで、馬鹿菌と変態菌がうつる」
「ひどっ!俺そんな菌持ってない!」
「持ってるんじゃないの、その菌そのものなの」
「すでに人じゃないってか!」
「そう、だから危険菌、私を放しなさい」
「危険菌に今レベルアップした?って言うか行かないでくれぇぇー!もう妹しか頼れないんだぁぁー」
「頼れる人はいるでしょ?親友とか親友とか親友とか」
「それはどの親友言ってるの?妹の知ってる奴?あんなの親友じゃない、あいつが言い張ってるだけ」
「兄さんのくせに何失礼なこと言ってるの、刺すよ」
「俺のくせにって何?ってか何でシャーペン握り締めてんの?心なしか先が光って見えるんだけど、いたいたいたいたー!」
「シャーペンって意外と痛いのよね」
「何冷静に言ってるの?つかいたたたいたぁ!ちょ、本当やめて!」
「図書館で騒がないの、迷惑でしょ」
「騒がせてるの妹じゃん!?」
「ふぅ、仕方ないからやめてあげるわ」
「その満ち足りた顔はストレス発散できたから?妹、今度人形買ってあげよう、今度からそれで発散して」
「そんなの人形が可哀想じゃない」
「俺は!?」
「ただの馬鹿変態菌」
「今合体させた?パワーアップさせた?」
「馬鹿変態危険菌になる前に宿題さっさと終わらせなさい」
「……はい」








「俺たち何のために休日に二人の後追ってたんだっけ?」
「近所に変な噂が立つ前に止めるためでしょ」
「で、今明らかに騒いだ上に暴力した上に、近所の大人や子供に見られたよね」
「場所が図書館だからね」
「……なんかどうでもよくなってきた。帰ろうか」
「そうね」





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