今日からよろしく御兄妹! 15
「妹に熱が出たぁぁぁぁ!」
「……るさい」
「声にも覇気が無いぃぃぃぃぃ!こんなの妹じゃないぃぃぃぃぃ!」
「それはいったいどういう意味?ああ、私はおしとやかじゃないってこと?私ほどの淑女はいないでしょうが死ね」
「ぶぅご!痛ってぇぇぇぇ!枕って普通こんなに攻撃力無いはずだろ!?今イス投げつけられた感じがした!なにそれ特製枕?
使用方法は暗殺?」
「そうだよ」
「えええええええ!ちょっと妹さん!?」
「何」
「それって普通にありえないでしょ?ってか俺を暗殺するような感じじゃないか?」
「黙秘権行使」
「使う場面間違ってるー!!」
「あーもー、うざい。うるさい。消えて」
「うわぁ、顔と言葉が一致してる。悪口でここまで一致する人はじめて見た」
「……疲れた」
「わわわ、妹が沈み込んだぁ!死なないでぇぇぇ!」
「お前が死ねば直る」
「消えろを超えて死ねときたか!」
「私のために死んで」
「や、無理。いくら妹のためでも無理無理」
「そこをなんとか」
「無理無理無理。目が本気だよ、妹さん!」
「……チッ、仕方ないなあ。」
「今舌打ちした?」
「わかった、ここは百万歩譲って妥協して」
「多くない?」
「今すぐ、私の前から」
「何で椅子持ってんの?何で病人のくせにそんな体力あるの?わかった妹人外でしょ」
「やっぱ消えるから変更して死ね」
「今一言多かった!?謝る、謝るからそれはちょっと待って……ぎゃあぁぁぁあああぁぁ!!」
「……断末魔が……」
「うなされそうねえ」
「うなされてたら起こしてあげるよ」
「あら、私は別に平気よ」
「え、だって今」
「いやあねぇ、いつもうなされてるのは孝宏さんじゃない」
「……いつもいつも起こしてくれてありがとうございます……!」
「いいえー。何で泣いてるの?」
「黙秘権行使」
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