今日からよろしく御兄妹! 14
「熱がでました」
「そうみたいだね」
「頭痛いですのども痛いです鼻水が出ます」
「おめでとう」
「何でそこでおめでとう?なに、俺が風邪をひくのは祝うべきことなの?君にとって祝うべきことなの?」
「そうだよ」
「そうじゃねえよぉぉぉ!絶対間違ってるから!」
「間違ってない。だって兄さん、あなたが馬鹿ではないと立証されたんだよ」
「それフォロー?ねえ相手をもっと傷つけてるけど妹にとってはそれフォロー?」
「そうだよ、感謝して」
「どれにぃ!?どれにも感謝の念なんか沸かないけど!俺けなされてるだけで泣きたい気分なんだけど!」
「泣けば?」
「嫌だぁ!」
「なんなのよ、疲れるなあ」
「俺今病人なんだから優しくしてよ!」
「私はいつも優しい」
「…………」
「…………」
「……ぷっ」
「今笑った?はい、カウントはじめまーす」
「ええええええ!待って待って待って待って!」
「問答無用」
「俺病人なのにぃ!?」
「手加減はしてるよ……一応」
「一応じゃ困る!……ごふっ!」
「おとなしく寝てて」
「俺、病、人……?」
「……うわぁ、カウントしてないよね」
「あーあ、紀子も素直じゃないわねえ」
「え?どういうこと?」
「孝彦君がおとなしく寝ないから無理やり寝かしただけよ。ほら、今おかゆ作ってる」
「あ、一応心配してたんだ」
「不器用なのよねぇ、私に似て」
「……郁子さんは手先が不器用」
「何か言った?」
「何も言っていません」
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