今日からよろしく御兄妹! 12 前編





「桜満開の美しい春の日」
「まさに今日だな!妹よ」
「さて、兄さん。いい天気だから花見でもしましょうか」
「…………」
「何?その目は。疑ってんのかそうなのか言ってみろよああ?」
「ごめんなさいごめんなさいちょっとだけ疑いました正直に言ったから首から手を離して!」
「しょうがないわね」
「う、げほっ……ごほっ……確実にどうして頚動脈狙えるのか聞きたい」
「本当に聞きたい?」
「……いいです」
「でしょう。それが賢明な判断ね」
「俺賢明だろ!?」
「賢明の意味わかってるのか」
「え……え?」
「もういい。今日は機嫌良いから何も訊かない」
「! いったいどうしたんだ妹!お前じゃないみたいだぞ」
「やっぱり力ずくで聞き出すわよ」
「すいませんでした」
「まあ話は逸れたけど、花見よ花見」
「ああ、行くか?」
「ええ、行きましょう」
「え!?」
「何、その反応は」
「妹が俺と一緒に出かけるなんて……お兄ちゃん感動で涙がちょちょ切れるぞぉぉぉぉ!!」
「うわぁー……やっぱウザイから別の人誘おうかな……」
「ちょっ、待って妹!兄ちゃん一人にしないで!」
「何その浮気された妻が言いそうな台詞。キモ!」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………私が悪かった。だからその紙にひたすらのの字書くのやめてくれない?」
「…………」
「…………ジュースおごってあげるよ」
「やめる」
「早っ!」
「安い男でなんぼだ。俺は安く生きるぜ!」
「それ突っ込み待ち?ねえ突っ込み待ち?悪いけど私そんなことしてあげるほど優しくないわよ」
「……ふ、予想などできていたさ!」
「じゃあ言わなきゃいいじゃない」
「何事も試したいのが男心」
「死ねば?」
「春でもきついな妹よ」
「で、行くの?行かないの?」
「やっぱ怖くなってきたのでお家に引きこもってい」
「ああ行く?そうよね、行くわよね、さあ行きましょう」
「え、え、ちょ、襟元はきついって、ぐぇ!うっぐ、くる、ちょ、くるしい、って!!」
「素直に来ないのがいけない」
「え、俺のせい?これ俺のせいな訳ー!?」







「もしかしなくても俺たちの存在忘れられてる?」
「そうみたいねぇー。もう親なんて切り捨てるほど大人になったのねぇ」
「その発言、突っ込んでいい?」




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