今日からよろしく御兄妹! 09





「もーいーくつねーるーとーおーしょーうーがつー」
「明けましておめでとうございます」
「うわ、普通にいった!」
「普通で何が悪い。日本は昔からこの挨拶が定着してるんだから」
「悪くないよ。でも俺が歌ってるんだから少しぐらいあわせてくれても」
「嫌」
「一文字。一文字で否定された!せめてひらがなで言ってくれ」
「いや」
「やっぱり言わないでー!」
「理不尽な」
「それはそうとお正月。楽しみなのは」
「お年玉」
「……現実的な」
「世の中お金」
「……そうだけど、ほら、おせちとか、年越しそばとか、色々あるじゃん」
「食べ物が?」
「食べ物が」
「何でそこで羽根突きとか駒回しとかお参りとか出てこないの」
「いや、食べ物が」
「兄さんを呼んでるのね」
「さすが妹!分かってる!」
「私のお年玉以外の楽しみは紅白ぐらいだけども」
「さりげなく俺を無視したよね」
「兄さんは何?」
「ドラえもんスペシャル」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……明けまして、おめでとう」
「なんで目そらして言うの、ねえ何で?」







「今年も楽しみにしてたんだ」
「毎年なのね」
「去年は年越しそば食べながら駒も回して見てたよ」
「すごい」





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