今日からよろしく御兄妹! 07





「おかえりなさい、兄さん」
「た、ただいま」
「喉かわいた?水入れてきてあげようか」
「あ、いえ、いいです」
「そう」
「う、うん」
「じゃあそこに座りなさい」
「あ、はい」
「さて、なぜ私が今こんなに優しいのかわかる?」
「いや、さっぱり。ついに妹の頭がショートを起こしてしまったのかと」
「今の台詞きっちり覚えておくから」
「いや、そのカセットなに?録音したよな、今の台詞録音したよな」
「さあ、本題に行くけど」
「なあ、今のは証拠品か?」
「本来なら馬鹿兄の為に水なんて用意してあげたくないんだけど、今日はきっと喉がかわくと思ってね」
「無視か。無視の方面か。しかもさりげなく俺の扱い酷くない?ねえ酷くない?」
「鞄見せなさい」
「いや」
「何乙女チックに涙なんて浮かべてるの、鞄ごときで」
「この涙はさっきのお前の台詞に対してだ!」
「鞄」
「そこまで無視か!」
「いいから、鞄」
「なんでそんなに鞄にこだわるんだ」
「じゃあ兄さんはなんでそんな嫌がるの」
「男には色々な事情がだな……」
「ああ、悪いけど兄さんのピンク雑誌、焚き火に使ったから」
「焚き火!?」
「ちょうど良いさつまいもが手に入ってね。焼きいもにしようと思ったところに良い具合に義兄さんの雑誌を思い出してしまい」
「それよりもなんで俺がそんな雑誌持ってるって知ってるの」
「で、致仕方なく使った」
「つながってないから理由に!」
「まあそんなわけで義兄さんには最早恥ずかしがるものなんて何もないの、全部処分したし」
「俺のオアシス!」
「はい、嘆いてて。鞄ゲット」
「あ……」
「相変わらずの馬鹿だよね。簡単に動いてくれて」
「い、今までの嘘!?」
「ああ、あれは本当」
「マジでー!?」
「あ、あった」
「ああああああああ、俺の……俺の……ああああああああ」
「うっとうしい。それより、これはなあに?」
「あ!それは!」


「ある意味天才的な化学の0点テスト」


「の、のぉぉぉぉぉ!!」
「数学5点、国語19点、現社21点、英語9点……なめてんの?」
「見ないでくれえ!」
「遅い。もう暗記した」
「だ、大体何で今日テスト返却日って知って」
「ある人情報」
「誰だ!」
「本当、よくこれで高校行けたわね」
「うううう……」
「今日の晩飯はピーマンの炒め物と、もやしにするから」
「そ、そんな」
「少しは反省して勉強しなさい」
「……はい」







「あれって本来俺達の役目じゃ……」
「紀子のほうが効果あるでしょ」




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