会話6

「こんのっ……尻軽!!」
「は?」
「また俺を差し置いてこんな奴と仲良くして! 俺は遊びだったんだな!?」
「いや、よく遊んだりはするけど」
「黙れ! 尻軽!!」
「尻が……」
「もういいさ! バカぁぁぁぁ!!」
「おい! そんな全速力でどこに行くんだ!?」
「浮気者は知らなくていいんだ!」



「……」
「……」
「……」
「……」
「……私とあいつって付き合ってるんだっけ……?」
「いや」





会話7

「お前は私の名前を書いてテストをするのだ」
「……なんで?」
「お前が学年で2番目に頭がいいからだ。安心しろ、私のテストにはちゃんとお前の名前を書いてやる」
「……意味が分からない」
「はっはっは! これで私の未来は目がかすむほどに輝かしいのだ!」
「……そうだね。だから僕の視界はぼやけているんだ」
「はっはっは!」
「はははは……」





会話8

「あはははー! んもぉ、暇なあなたの彼女様が電話してあげましたよぉー!」
「なんで偉そうなんだよ(酔ってんな)」
「あらしが偉いからでしょー?」
「偉くないだろ」
「偉いのー、偉いのぉー! あらしは偉いんだぁー!」
「呂律も回ってないだろーが」
「んー? ろれふって誰ぇー? おんなぁ?」
「いいから。今どこにいるんだよ」
「おうちでかなちゃんとのんでふよー」
「そうか」
「んー」
「……切るぞ」
「んんー、あのねぇ」
「何だ?」
「いとーくんが、あらしにねぇー……」

 ブツッ!

「あ!? 切れやがった! 何でこんなタイミングで! 『いとーくん』がどうしたんだ!? ってかどの『いとーくん』だー!」





会話9

「ちくしょうちくしょう」
「そのポテチ一枚ちょーだい」
「あいよ」
「あたしのどこが不満なんだちくしょう」
「あ、こっちは新発売?」
「そうだよ〜。ひとついる?」
「顔だって並よりいいのに。胸だって、Dあるのに」
「おいし〜。モンブランの味だ!」
「でしょでしょ? でも期間限定だからもうすぐなくなっちゃうんだよね」
「何だってあの子なんだ……」
「じゃあ、今のうちに食べとかなくちゃ!」
「そうだよ! ダイエットは中止! いっぱい食うぞ〜」
「お前らいい加減に話し聞けよ!!」
「聞いてるよ。また振られたんでしょ」
「もう聞き飽きた」
「またって言うな! てか、ならなぐさめろよ! 食ってばっかりいるなよ!!」
「無理」
「今はこっちが大事」
『とりあえず、ご愁傷様』
「…………」





会話10

「「さーくら咲いたら一年生ー」って歌詞の曲あったじゃん?」
「ああ。小学校で歌ったやつだろ」
「そうそう。あれって「誰でも最初は一年生」って言うところあるあるよね」
「あるな」
「あれで言えば……働くのが初めての人も一年生って言うのかな?」
「あれで言わなくてもあるだろ」
「そうだったんだ!?じゃあ、「君一年生?」とか「生意気なんだ」とか言われたり、呼び出されたりするの!?いじめとかあるの!?」
「俺はひとつひとつそれについて答えなきゃいけないのか?」




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